祝島にひととき

久しぶりの「祝島」でした。

 

船から降りると「おかえりなさい」と声をかけられ、温かな気持ちになりました。

ちょうど、ビワの時期も到来していました。

太陽と潮風に育まれたビワに舌鼓。おいしいだけでなく、無農薬なので安心です。

 

漁師の岡本さん(まーちゃん)が和歌山の家にタイを送ってくれるというので、一緒に船に乗り、釣らせて頂きました。その日の夜中に獲ったエビを餌にタイを狙います。このような一本釣りは、網漁と違い、魚を傷つけずに釣ることができ、獲り過ぎによって漁場を荒らしてしまうことを避けられます。

この日は日和が良かったようで、送れる分ほど釣ることができました。

豊かな海を受け継いで頂いている漁師さん、皆さん、ありがとうございます。

 

船着き場から歩いて約一時間、原野を切り開いてつくられた平さんの棚田には今年も稲が植えられていました(一番上の面に)。平萬次(まんじ)さんのおじいさんが「子や孫のために」とつくり始め、三代で築き上げた棚田です。萬次さんは今年で80歳を迎えられましたが、今でも現役です。

お互い元気でがんばりましょう、と握手をして別れました。行く度に力をもらえる場所です。

「祝島」、自然と文化と人情の溢れる島。

次は8月に訪れる予定です。またその日まで。

上関原発の現状はどうでしょうか。

  

残念ながら、工事が止まっているだけで、計画は生き続けています。中国電力が上関町民に毎月配っている広報誌「かけはし」の5月号は「世界最高水準の安全性を目指す」と題し、お金の面から原発の必要性を訴える内容になっています。安全性を強調することは、危険性から目を背けることにつながると思います。驚くことに、事故が起こった時の避難計画については未だに全く考えられていないのが現状です。 

 

企業と政府が一体となって、海外へは原発の売り込みを、国内では再稼働に向けて邁進しています。

 

安倍首相は経団連を始め大企業の人たちと中東を訪れ、「世界一安全な原発技術を提供できる」と言い、アラブ首長国連邦(UAE)とトルコと原子力協定を結びました。トルコは世界有数の地震国です。また、兵器保有国で核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドにまで売り込みを図っています。こうした動きは世界各地に及んでいます。

 

原発の新たな規制基準が7月18日までに施行されます。7月21日の参院選の結果にもよると思いますが、今のままなら、国内の原発は再稼働に向けて動き出すでしょう。報道によると、7月中に、各電力会社が少なくとも4ヶ所の原発において再稼働の申請を計画しているようです。

 

それは、北海道電力の泊原発(1~3号機)、関西電力の福井県の高浜原発(3、4号機)、四国電力の愛媛県の伊方原発(3号機)、九州電力の鹿児島県の川内原発(1、2号機)。その他に、関西電力の福井県の大飯原発(3、4号機)や九州電力の佐賀県の玄海原発(3、4号機)なども準備が整い次第申請するとしています。

 

政財界のこうした動きに待ったをかける動きもあります。先日2日に、国会前で脱原発を訴える数万の人たちが集まりました。一口に数万人と言っても、ものすごい数です。また、7月に、長崎県漁連が再稼働反対を訴える海上デモを予定し、漁船2000隻の参加を目指しているそうです。また、デモに参加しなくても、暮らしから変えていこうとしている人も多いでしょう。数え切れない程の取り組みが行われていると思います。その一つ一つの祈りと行動が未来につながっていくことでしょう。

 

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祝島と福島と海に生きる人たちを追ったドキュメンタリー「祝福(いのり)の海」

 

 

祝福(いのり)の海」

 

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