2012年

10月

01日

原発のゆくえ 北の大間と南の上関

皆さん、ご無沙汰してしまい申し訳ありません。

 

僕は祝島で映画の撮影を続けています。この間、4年に一度行われる千年以上続く祭り「神舞(かんまい)」にも参加し撮影させて頂きました。島民が一丸となって、みんなの手で作り上げることの素晴らしさ、感謝し祈ることの大切さを改めて感じました。上関で出会った仲間も大集合し、嬉しかったです。

 

さて、先日、祝島に本州最北端の青森県大間町から小笠原厚子さんがやってきました。

大間で建設中の原発の真ん中に厚子さんの家「あさこはうす」はあります。

今は亡き厚子さんの母・熊谷あさ子さんが土地を売らずに守り続け、厚子さんと建てた家です。念願だったという祝島訪問。厚子さんのお話にぜひ耳を傾けてください!

◆1976年に大間に原発計画が持ち上がった時は多くの住民が反対だったが、長年かけて電源開発(株)はあれやこれやの手を使ってまるめこんでいった。

◆電源開発は1990年から2000年までに、あさ子さん以外の156人の地権者から土地を買収した。

◆2002年の事件をきっかけに厚子さんは初めて大間の原発計画やあさ子さんが一人で頑張っていることを知る。

(*むつ市の建設会社があさ子さんの土地を買収するために7千万を用意。交渉役だった社員が強盗に襲われたと自作自演の事件を起こした)

◆あさ子さんの土地は原子炉予定地からわずか50mだったため、2003年、電源開発は原子炉予定地を南に200m移動させた。

2007年、あさ子さんの土地をフェンスで取り囲み、敷地外とした。

◆2008年5月に着工。当初は2010年に稼動予定だった。現在、進捗率は38%。建設再開するという。

 

あさ子さんの言葉「海や畑はオラたちを食わしてくれる。子供たちは安心して生活できるべ。自分の目の黒いうちは例え10億積まれても売らねえ」

 

★あさこはうす郵便

0394601

青森県下北郡大間町字小奥戸396 あさこはうす

★カンパ先

郵便振替口座 02760366063 あさこはうすの会

 

次は南の上関。9月20日の上関町議会と27日の山口県議会のようすです。

どう感じるでしょうか?

 

柏原町長の「人並みの生活」という言葉。

農業・漁業で生計を立てていくのが難しくなったのは国の責任かもしれません。

しかし、それを原発と引き換えにもらうお金で解決するのは問題だと思います。一度、事故が起これば「人並みの生活」どころではなくなることをどう考えているのでしょうか。

また、清水議員の言うように、あさ子さんのように、原発以前に人間同士の仲が引き裂かれたという現実があるのです。

 

山本県知事は県職員に任せ、自分の言葉で語ることもしませんでした。県は特に国に丸なげであり、存在意義があるのかすら疑問に感じました。

 

着工していない上関については新設・増設に当たるので建設中止に当たります。

10月6日に、山口県知事が中国電力に与えた海の埋め立て免許が失効しますが、仮に中国電力が延長申請を行ったとしても県知事は許可しないということは確認しました。

 

では、中国電力はどうかというと、上関原発を進めるというチラシを上関町の全戸に社員60人で配ったそうです。まるで福島原発の事故などなかったかのような対応です。以下が現物です。「上関原発の重要性に何ら変わりなく、当社では、上関原発の建設を断念することは考えておりません」 中電には何一つ期待できそうもありません。

では、町や県が顔色をうかがう国はどうでしょう。

政府は9月14日に決定した「革新的エネルギー・環境戦略」で、2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入すると明記しました。

 

そのための3つの原則を掲げました。

(1)40年運転制限制を厳格に適用する。

(2)原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働とする。

(3)原発の新設・増設は行わない。

 

しかし、野田内閣はこの新戦略の閣議決定をしませんでした

新戦略を「参考文書」扱いとし、「柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」という方針だけを閣議決定しました。その理由に、アメリカ側からの圧力があったと東京新聞は報じています。原発のゆくえはまだ見えません。これから大間原発を造るということも矛盾を表しています。

 

なぜ、と疑問に思うことばかりですが、原子力に働く力学をわかりやすく語ってくれている詩人のアーサー・ビナードさんの講演を紹介します。

この世には、「生命(いのちの)原理」と「経済(お金の)原理」が働いていると思います。

生命原理は何億年にも渡る生命の営みであり、経済原理は人間が作り出したお金のしくみです。今の経済には残念ながら血も涙もないと感じます。例えば、武器を売れば、血も涙も流れますが、経済は成長すると考えるからです。人間は生命を脅かさない経済をつくれるのでしょうか。

 

「生命原理」と「経済原理」、この2つには謎が多く、今後も考えていきたいと思います。

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映画づくりを応援して下さる皆様に感謝。祝島と福島と海に生きる人たちを追う

 

 

祝福(いのり)の海」

 

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