原発反対はいのち肯定

27日、全国の電力会社で株主総会が行われました。

上関原発に30年間反対してきた祝島の人たちは船とバスを乗り継ぎ、広島の中国電力の本社前へ。計画の白紙撤回を求めました。

中国電力の株主でつくる「脱原発へ!中電株主行動の会」は原発の廃炉や新規計画の撤回、電力自由化や自然エネルギーへの転換のために発送電分離などの提案をしましたが、いずれも否決されました。中国電力は変わらず「上関原発は必要不可欠」としました。

 

詩人のアーサー・ビナードさんが来られていました。祝島の人たちへのメッセージとして「原発反対はいのち肯定。皆さんは子どもたちに未来を手渡そうと、いのち肯定運動をしている。原発自体がいのち反対、環境反対、未来をつぶすこと」と激励しました。

また、原発はジリジリ原爆であり、野田総理が大飯原発の再稼働を「国民の生活を守るために」行うと言うのは、トルーマン大統領が原爆の投下を正当化した時と瓜二つだと指摘しました。

中国電力は上関原発計画について「原発の比率が小さいことや地球環境、電力の安定供給の面から必要」と語ったそうです。 

僕は全く逆の考えです。原発の比率が小さいことは名誉なこと(アーサー・ビナードさんの言うように、発電量の約半分を原発に頼る関西電力は経営破綻の危機に陥っています)、原発は地球環境を破壊するもの(温排水や放射性廃棄物などによる)、原発は不安定だからこそ火力のバックアップが必要であること。

 

いろいろ理由をつけますが、結局のところ、原発は今のしくみではお金が儲かるからということでしょう。大飯原発の再稼働にしても、当初は電気が足りないことを理由にしていましたが、後になって、関西電力は「電力の問題ではない」と撤回しました。そして、経済が回らなくなると言いますが、電力会社やそこに融資している銀行などにとっての経済でしょう。

 

関西電力は約1.5兆円の純資産を持っていて、うち約9千億円が原子力関連資産(原発設備や核燃料)ということです。原発が動かせなくなると、これが資産ではなくむしろ負債となります。2011年度は約2400億円の赤字なので、この状況が続くと2~3年で破綻してしまいます。とどのつまり、関西電力が倒産しないための、融資している銀行などが損をしないための原発再稼働と言えそうです。

 

では、電力会社はこの巨額のお金をどこから調達しているのでしょう。

お金の流れを変えなければ根本的な解決は見込めないように思います。

グリーンピース・ジャパンが興味深い資料を載せてくれていました。 

原発ー21世紀の不良資産

(東京電力の場合、福島原発の事故までの10年間において、民間銀行に対する社債発行額は約4.62兆円、融資による資金調達は約6300億円、株による資金調達は約4200億円だったそうです。

社債の引受額が多い銀行グループは順に、シティバンク、みずほ、野村、三井住友、三菱UFJと続くようです。)

 

僕はこのお金のしくみを知りたいし、できれば変えたいと思っています。

大きなしくみを知って無力になるのではなく、自分から変わる努力をしたい。

おかしなしくみには、なるべく非協力で臨みたい。

 

国民不在のまま進められようとしている大飯原発の再稼働。政府はあさって7月1日にも起動を予定しています。

大飯原発には、高い防潮堤がありません。フィルターつきベントもありません。免震重要棟もありません。活断層の指摘はあります。スピーディによる拡散予測も行っていません。避難やヨウ素剤などの対策も十分ではありません。原子力村に大切ないのちを預けることは、できません!

 

今日29日の18時から総理官邸前で巨大デモがあります。皆さん、「原発反対=いのち肯定」の意思表示をしましょう!

「世界を変えたければ、まず自分がその変化になりなさい」とはガンジーの言葉。

この時、歴史が動くかどうかは私たちにかかっています。ぜひ。 

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祝福(いのり)の海」

 

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