脱原発元年に!

2011年、世界を変えた原発震災。私たちは生き方を問われることになりました。

2012年、今年は原発のゆくえを決める選択の年となるでしょう。

いのちを粗末にする原発からの卒業と、なるべく自然と調和した暮らしを目指していきます。今年もよろしくお願いします!

原発震災当時のことなどを振り返り「美浜の会」のニュースに書かせて頂きました。 

少し加筆して掲載します↓ 

 

◆◇◆_______________________________

 

祝島から福島へ 原発のゆくえ

 

福島原発が爆発――その時、僕は山口県の南東部に浮かぶ島「祝島(いわいしま)」にいました。時々刻々と伝えられる原発の状況に日本中の人たちが注目していた時、島の人たちも同様に、むしろ誰よりも当事者意識を持って見ていたと思います。それは、島の対岸4㎞弱のところに海を埋め立てて「上関原発」が建てられる計画があり、島の大半の人たちは反対し、「子や孫のためにも海はカネには換えられん」と補償金を受け取らず29年間闘ってきたからです。半農半漁の暮らしからくる自然への感謝の気持ちが、原発に反対する根っこにあるのだと思います。僕は、海の埋め立て工事が始まろうとする頃から福島原発事故までの一年半の間、予定地の田ノ浦や祝島で過ごさせてもらいながら、現地のようすを写真や映像で発信してきました。幾度となく埋め立てのために巨大な工事船が来て、その度に島の漁師さんたちは仕事の手を休めて抗議に向かいました。福島原発事故の約3週間前、中国電力は約600人を夜中に動員して、埋め立て工事を強行しようとしました。そして、島の人たちを始め全国から駆け付けた人たちによる抗議行動が数日間繰り広げられました。そんな矢先の福島原発事故でした。上関原発計画は反対世論の高まりから県知事が一時凍結することを決めましたが、事故が起こるまで変わらなかったのは悲しいことです。そして、事故が起こってもなお変わらないのが中国電力。まだ計画は進めると宣言しています。もし、上関原発が建設され、福島原発のような事故が起きた場合、祝島の集落は原発から約4㎞で島全体が10㎞圏内に入るので、直ちに避難が必要ですが、海が時化ていたら逃げることもできません。どうするのかと福島原発事故の3ヶ月後に中国電力に聞いたところ、まだ考えていないが計画を進めながら自治体と一緒に考えるという答えでした。地震も津波も想定外なら避難も想定していないということでしょう。

 

「他人事ではない。現地に行ってみよう。」ということで祝島の方や友人と最初に福島に入ったのは5月でした。その時できた縁も頼りに、その後は一人で通っています。放射線量が高く避難地域となっている飯館村では、パトロールの仕事をしているおじさんたちはマスクもつけず、「もうほとんど飯館の人たちは吸ってるよ。直ちに影響がないなんていい加減な言葉だ。でももう歳だから。」とあきらめたように言いました。政府が情報を隠ぺいしたせいでどれだけ多くの人たちが避けられる被曝を強いられたでしょう。

 

その後、出会った81歳のおばあちゃんは、生まれてこの方専業農家だったが、それもできなくなり、家族もばらばらになり、「残念でかなわねえなあ」と故郷を奪われた悲しみを漏らしました。いわき市の久ノ浜の漁師さんは「確率的殺人には加担したくない」として、漁に出ないことが今できることだと苦渋の決断をされています。

 

地震大国の日本において今回の原発震災はどこででも起こり得るし、このまま反省することなく原発を進める道を行けば、確実に次の原発震災を招くだろうと思います。今回の地震はいくつかの原発で基準地震動(想定される最大の揺れ)を超える揺れをもたらしました。国や電力会社のいう想定外は津波だけではなかったということです。地震で原発が壊れた可能性を否定できないにも関わらず、そのことを検証せずして全国の原発の運転再開を試みています。これは次の原発震災を招く道ではないでしょうか?

現在、稼働中の原発は54基中わずかに6基、約9割の原発が停まっています。運転再開しなければ、春には全ての原発が停まることになります。原発の必要神話は安全神話に次いで崩壊しようとしています。停めれば分かると思います。

停めれば分かる 停めねば分からぬ 必要性 停めぬは (原子力)ムラの 富める財源(だから)

2012年は原発のゆくえを決める選択の年。原発に象徴される誰かの犠牲の上に成り立つ社会から、みんなが助け合い分かち合う社会を目指したい。

_______________________________◆◇◆

 

地震大国の日本と書きました。原発震災という言葉の提唱者である地震学者の石橋克彦さんの言葉を借りますと、「日本の国土と領海と排他的経済水域の一部を合計した場合、地球の表面積の0.3%弱だが、地球の全地震の約10%が集中している」ということです。

 

以下は、1975~94年に発生したマグニチュード4以上の地震が黒点で表された世界地図です。日本は点で埋まってしまっています。そして、世界広しと言えども地震と原発がこうも重なるのは日本だけです。(日本は原発保有数で世界第3位。1位アメリカ、2位フランス)

また、視覚的に分かりやすく映像にしてくれた方がいました↓

2011年1月1日~10月15日に日本周辺で発生したマグニチュード3以上の地震を表したようです。大震災以降、地震が多発していることが分かります。

今年を脱原発元年にしましょう!

 

「スナメリチャンネル」を応援して頂きありがとうございます!

昨年10月に5件、11月に7件、12月に7件のカンパを頂きました。

メッセージと共に掲載させて頂いています→http://bit.ly/qB5rcp

 

 

祝福(いのり)の海」

 

ホームページ↓

 

 

facebookページ↓